読むべし!「いわゆるA級戦犯」
【山寺の本棚】
地蔵菩薩は水子供養の主尊とされることが多い。毎月24日はお地蔵様(地蔵菩薩様)の日であり、水子供養にこの日が選ばれる所以である。
昨年、子供を授かってみて、水子という言葉が深く心に沁みるようになった。
こちらのお寺には立派な御詠歌隊があり、大勢の唱和される水子供養和讃がいつまでも耳に残っていた…
中山寺の御開帳法要が無事終了したので、西舞鶴のブックオフへ。
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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一番の掘り出し物は小林よしのり「いわゆるA級戦犯」(幻冬社)。105円也。
「A級戦犯」をめぐる問題が極めて明確に整理されている。「靖国論」も面白かったが、本書はそれ以上である。
東条英機、広田弘毅、重光葵の二人の自伝的漫画に加えて、東京裁判の問題性を様々な角度から検証するその情熱と、鋭い問題意識は敬服に値する。
結論から言えば東京裁判そのものが戦勝国による敗者への報復行為以外の何者でもなかったのではないかということである。
それにしても7名の処刑者に対して、7名もの獄死者が居ることは問題である。
収監先の巣鴨プリズンでは虐待に近い処遇だったようである。その点を持ってもこの裁判の異常性を感じる。
私たちは戦後という巨大な洗脳装置の中にいたのではなかったという気がしてならない。
そして事実を拾い上げて、自分の頭で考えることがいかに難しいかということである。
小林よしのり氏の漫画には強烈な毒がある。
それは強烈な自己肯定と自己美化ではないかという気がする。
戦後の洗脳によって植えつけられた日本人の自己否定と自己嫌悪を中和するにはこの<毒>が必要なのではないかという気がする。
東京裁判史観というべきものが今日のわれわれの歴史観を大きく歪めている原点であることを自覚するなら本書は必読であり、頂門の一針という他無い。
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