帯を解く楽しみ


宝物殿の前の銀杯草が咲き始めた。ちりめんのような細かな襞のある花びらで清潔感がある。
背丈が低く、丈夫で花期が長いので10倍くらいに増やしたいのだがなかなか増えない…

午前中、檀家のY氏が来訪。
団体参拝の代金を持参してくださったのだが、地元の話題をひとしきり。

ヒヨドリがサヤエンドウの花を食べてしまい、実が付かなくなったとのこと。
他にもいろんな畑でヒヨドリが花をちぎってしまうという。ヒヨドリは花の蜜を求めてやってくるそうだが、被害は甚大だそうである。

今年はイチゴが不作とのこと。
日照時間が短いことが最大の原因のようである。何人かの方からイチゴを頂いたが皆一様に不作だといわれる。


山門の脇のアジサイの大半が花芽を食べられていることに気がついた。
ここ数年来、昆虫の食害に遭っているのだが、今のところ対策がない。
花の咲かないアジサイを育て続けるのも悔しいものがある…

舞鶴の自然文化園はアジサイ園で知られる。ここに勤めている檀家のO氏に連絡。
「お宅のお寺からウチに虫を連れてこないでくださいよ。大変なことになる。」
と釘をさされた。O氏はもちろん冗談で言っているのだが一目5万本ともいわれる自然文化園のアジサイがこの食害に遭ったら大変なことになる。
O氏は近々、専門家を連れて山寺に来られるとのこと。
舞鶴自然文化園のアジサイ園】http://www.city.maizuru.kyoto.jp/hanamidori/index.htm#bunkaen
【関連記事】http://d.hatena.ne.jp/burogubou/20090615



最近、本の帯に注目している。

本の帯の出来不出来は本の売り上げに大いに関係するのではないかという気がする。

「○○氏絶賛!」

という類はあんまり面白みに欠ける。エライ人が褒めているから買いましょうというのは少し虫が良すぎる。

先日、友人に借りた2冊は本の帯がよくできていた。

猫楠 南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

猫楠 南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

南方熊楠の生涯を描いた「猫熊」。

熊楠が猫を飼っていて、その猫の名前が「猫楠」である。
熊楠は多言語に秀でたが、猫語も幽霊語も解したという設定で、猫や幽霊との会話が挟まれる。ここらへんが水木しげるの偉大な才能である。
大賢は大愚に似たるといった熊楠の奔放な生き方がとにかく面白い。

本の帯には

「描いて 笑って、88年」

とある。水木しげるの米寿を祝う言葉なのだが、「描」という字の手偏が少しずれて「猫」という字に見えるようになっている。すぐには気が付かなかったがよく考えたと感心した。

ボクは坊さん。

ボクは坊さん。

白川光成「ボクは坊さん」。
クスッとかクスクスッと笑いながらすいすい読めてしまう内容。
それでも空海釈尊の言辞がちりばめられていて、時々「うーん」と考えさせられる。若いのにかなりの文才である。
若くして真言宗名刹を預かることになった著者の奮闘には大いに共感を覚える。

帯に書かれているのは

24歳、突然、住職に。
仏教は「坊さん」だけが独占するには、あまりにもったいない!

帯の言葉を読んだだけでこの本のドラマ性やメッセージがしっかり伝わってくる。
若いお坊さんには必読の本ではないだろうかと思っている。



もし私が自伝を書くとしたら、多分、本の帯は…

お坊さんになる気は全然なかった

ではないかと思う(笑)

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