「理趣経」全開 女暫 風土記の世界
午前中、奈良から来られたというご夫婦を阿弥陀様にご案内したらお勤めを希望された。
「般若心経」を読まれるのかと思ったら「理趣経」だったのでちょっとびっくりした。
「理趣経」は真言宗の根本経典であるが在家の方が唱えられるのは大変に珍しい。
「理趣経」の初段を一緒にお勤めした。
時々、拝観にこられた方と一緒にお勤めさせて頂く。
ただ伽藍や仏像を拝観して頂くだけでなく、一緒にお勤めさせて頂くことで何かを感じてもらえたらと思うのである。
初めて真言宗のお経を在家の方とお唱えしてテンションが上がりなんだか嬉しくなっていろいろとお話した。
お参りに来られるかたとの出会いは一期一会である。
今後もお出会いするという機会はないものと思い僅かな時間の交情に自分自身も感じるものがある。
いろんなことをお話できてよかった…と思い気のせいか笑顔で帰ってゆかれた気がしたのだが
しばらくして…
社会の窓が全開だったことに気がついた…
あの笑顔の意味は…
毎日のように動画を見ている。仕事のBGMも動画のクラッシック音楽である。
ふと歌舞伎の「暫(しばらく)」が観てみたくなり検索したらトップにでてきたのは「女暫(おんなしばらく)」という演目。
「暫(しばらく)」というのは超人的な主人公が悪漢を退治する痛快無比な物語である。
スーパーマンやウルトラマンのようなヒーローを彷彿とさせる。明快で楽しい物語である。
「女暫」は「暫」から派生したものでパロディと呼んでもいいのかもしれない。
強くて美しい女丈夫である巴午前(ともえごぜん)が悪漢を倒し、善人を救うという筋立てである。
主人公を演じていたのは玉三郎だったが、その美しさや動きに圧倒される思いがした。笑いもふんだんに盛り込まれ実に楽しい演目である。
歌舞伎はよく知らないのだが優れた歌舞伎役者の動きや所作にはハッとさせられるものがある。
野球は知らないがイチローに惹かれてよく動画を見ているがそれに通じるものがあるのかもしれない。
動く浮世絵のような玉三郎は実に素敵だった。
- 作者: 三浦佑之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/09/15
- メディア: Kindle版
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兼務寺院で留守番をしながら「風土記の世界」(岩波新書)をパラ読み。
古い絵巻物の残欠を見るようで楽しい。
古代の日本の姿ははたしてどのようなものだったのか…
中央の支配にまつろわぬ存在は「土蜘蛛」と呼ばれた。
当地にも多数の土蜘蛛が存在していたとされるが
「風土記の世界」によれば各地の土蜘蛛のなかには女性の土蜘蛛も少なからずいたとされる。
大変興味深い指摘であった。土蜘蛛集団に女性がいたのではなく、その首長が女性だったというのである。
出雲から越(北陸)にかけて日本海文化圏が形成されていたことは良く知られている。
出雲の古代神殿は16丈(約48メートル)超高層建築でああったということが伝えられ、近年の研究でそれが歴史的事実であったことが確実視されつつある。
「風土記の世界」では高層建築の文化が日本海文化の特性であったように記されていた。
日本海沿岸に他にもそうした高層建築物が存在していたのだろうか…と考えると楽しくなった。
宮津といえば天橋立だが<天につらなる梯子>が本当にあったとしたら楽しい。
古代史に興味は尽きないのである。
【やはりイチローはただものではない。】
【時々昔の歌聴きたくなる。レベッカ最強。】
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