雨の棚経

 棚経というのはお盆に檀家さんや信者さんのお宅にお参りすることである。

 近年は異常といっていい酷暑である。その暑さの中を限られた時間内に家々を廻って行くのでかなりハードなスケジュールになる。お寺の年中行事の中で最も大変なものである。

 炎天下で道に迷ったり、犬に追いかけられたり、間違えて別のお宅に上がりこんでしまったり…いろんなこともある。

 
 今日で棚経は2日めである。

 お付き合いのある檀家さんや信者さんの殆どは農業を営んでおられるが、今年は異口同音に畑も田んぼも近年に無い不作とのことである。

 動物の被害も相変わらず多く聞く。
 サル、熊、イノシシ、ヌートリア、アライグマ、モグラ、亀…
(亀というと意外に聞こえるが実は結構田んぼを荒らしたりするのである。)

 不作の原因は7月の日照時間が極端に少なかったことが最大の原因のようである。
 梅雨明けが宣言されたにもかかわらず、ここ2日雨が降り続いている。雨の中の棚経は初めてである。


 雨音は嫌いではない、土砂降りより、少し雨脚の弱いしっとりした雨音が好きである。
 午前中の棚経を終えて昼食を摂った後、少しだけ時間があったので、縁側に布団を敷いて、横になって雨音を聞いていた。

 明日一日置いて、明後日から怒涛の3日間に突入である。
 こちらに帰って数年は住職二人で廻っていたのだが、去年一人で全部の棚経に行ったら、倒れそうになった…

 今年は少しだけ檀家さんにお願いして日程を分散してもらったので少し気持ちが楽になった。

 時々こんなことを何十年も一人で続けていた住職が少し可哀想に思えることがある。
 棚経もささやかな親孝行と思って頑張ることにしよう。




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