2008-01-01から1年間の記事一覧

自力と他力

お坊さんの使う言葉には仏教独特の専門用語が多い。 「如来」とか「菩薩」などの言葉は仏教用語といっていい。さらに同じ言葉でも在家(一般の方)と違う使い方をする言葉がある。 法要などでどのようなお経を読むかといった順番や組み合わせを「次第」(し…

秋の点景

夜の九時ごろコンビニに車で出かけて、お寺の手前まで来たとき、お寺の畑の回りに何やら茶色い生き物が見えた。車が近寄るとヘッドライトに照らされてイノシシと分かった。瓜坊と大人の中間くらいだろうか。そこらの犬よりは遥かに大きく逞しい。運転してい…

鹿の声悲し

昨日、高橋英夫さんという方の「芭蕉遠近」(小沢書店)という本をパラ読みしていたら、こんな句が載っていた。 ぴいと啼(なく)尻声悲し夜の鹿「『ぴい』と長く響く鹿の声が夜に悲しく聞こえてくる」というほどの意味だろうか。私はこの句で「尻声」という…

万願寺とうがらし

車で田舎道を走っていると枝も折れそうなほど沢山実の付いた柿の木を見かける。今年は柿が豊作のようである。 例年よりやや多いと感じるのが黄色い花をつけるセイタカアワダチソウである。 薄(ススキ)に混じって風に揺れている姿はなかなか風情がある。檀…

京都駅の雑踏

昨日から泊りがけで京都へ。 まだ紅葉には早いが駅周辺は大変な混雑である。 昨日、知人と京都駅の近辺でお茶を飲もうと思ったがどこも満席である。 八条口に向かう地下通路にホテル系の「メイフェア」というカフェがあり空いていることが多いのだがここも満…

山寺の山歩き

【お知らせ】 山寺のHP更新致しました。 宜しければ御笑覧下さいませ http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 山寺の境内の後背地はかなり広い面積で山が連なっているのだが、急に住職が山歩きに行くと言い出した。心配…

秋の徒然(つれづれ)日記

昨日はなぜか沢山の夢を見た。 寝起きにあまりいろんな夢を覚えていたので枕元のメモ帳に幾つか書き留めた。『稲川淳二がストーカーに玄関の扉を壊されたので私が赤いビニールテープで補修。すごく丁寧にテープを巻くのだが、終わってから重大なミスに気づく…

秋の団体参拝

本日は秋の団体参拝である。 全体の行程は 松尾寺(西国観音霊場29番札所) →竹生島宝厳寺(西国観音霊場30番札所) →多田寺(小浜にある真言宗の古刹。日本三大薬師に数えられる) 参加者は檀家さんと信者さん合わせて総勢42名である。 団体参拝は天気に大…

お坊さんらしさ

【告知】 いつもコメント下さる一風斎さんのHP“WEB浮世絵”のトップページが秋らしくリニューアルされました。素敵な古写真と浮世絵ですので是非ご訪問下さいませ http://www.geocities.jp/web_ukiyoe/ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 今日は朝か…

与奪ということ

今日は兼務している山寺で留守番の日である。 庫裏の側を歩いていると木の上から落ちてきたものがある。 見ると大きなスズメバチが緑色の塊と一緒になって地面の上で動いていた。 そして緑色の塊と見えたのは手足をなくしたカマキリだった。 スズメバチは頑…

確信犯の神罰

本日の午前中は法事が1件。 当地では家でのお勤めの後、お墓へお参りするのが通例だが、案内してもらったお墓は市内の小高い場所にある霊園だったが、眼下に小学校を見下ろす場所にあり、本日は運動会である。 今どきの運動会なのでヒップホップ系の音楽がガ…

至福のタオル

今日は車で30分程離れた海辺の古刹にお邪魔して御住職にいろいろとお話を伺う機会があった。 この地域は遺体を埋めるお墓とお参りする石塔が別々にある地域である。これを両墓制というそうである。 海岸に面した広い墓域には大小の石を積んだ埋め墓が100基以…

ミリオネア道

整理整頓ができないとよく家族に怒られる。 そういえば小学校に通知簿の備考欄に何度も「整理整頓ができるように」と書かれた記憶があるので筋金入りである。一度読んだ本は手放せなくなるので、何十年も前に買った雑誌が出てきたりする… 昨日、バザーに出品…

進化しすぎた脳

【お知らせ】 昨日、山寺のHP更新致しました。 宜しければ御笑覧下さいませ http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 新米の季節である。 何軒かの檀家さんが自分の田んぼで獲れたばかりの新米を届けて下さった。 とても…

ものまねの輝き

【お知らせ】 山寺のHP更新致しました。 宜しければ御笑覧下さいませ http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 【YouTube漂流記】 Youtubeを「ものまね」で検索したらカーペンターズのものものまねをしている映像があった…

土井たか子さんに読ませたい本の話

社民党の名誉党首である土居たか子氏が次期衆院選に選挙区、比例区とも出馬しないことが報じられた。 共産党や社民党の大好きな京都新聞では早速、カラー写真付きで報じ、土井氏を褒めちぎっていた。コラムの「凡語」に至っては『護憲の「おたかさん」の気迫…

最も古い…

数日前は久しぶりに妻と小浜にドライブして「濱の四季」※で夕食。 ここのご飯はもともと美味しいのだが新米の時期なのでお米の味が一層美味しかった。美味しいご飯に美味しい味噌汁そして野菜がたっぷり入ったお惣菜。後は何をか言わんやである。 ※ http://w…

今月の「寺門興隆」

本日届いたお坊さん専門雑誌「寺門興隆」(興山社)を読んでいたらいろいろと面白い記事があった 富山県で続発している骨壷盗難事件。 女性の遺骨ばかりを狙って窃盗をくりかえして犯人がいて「骨もらいました。老女マニアより」などと書置きがしてあるとい…

老僧のデータベース

先日、住職と一緒に地元の大寺の法要に出仕(しゅっし)させて頂いたが、住職もかなり高齢なので、一緒に大きな法要に出仕できるのもこれが最後だろうと思うと少し寂しくなった。 いろんな行事のひとつひとつが最後かもしれないと思ったりする。 コメント下…

母親の夢

7年くらい前、まだひとり暮らしをしていた頃の話である。 かなり深く気持ちが落ち込んだことがあった。 2年ほど時間を費やした計画が全く無駄になるということがあったのである。 無力感と虚脱感で気持ちが一杯になり、毎日が憂鬱だった。 周囲にそれと分か…

「スターウォーズ」と「死者の書」

「スターウォーズ」の出てくるジュダイの騎士はフォース(「理力」とも呼ばれる)という不思議な力をその根源としている。私は長い間このフォースとは東洋的な<気>の力をヒントにして創作されたのだと思っていた。 ところが最近、寝る前にパラ読みしている…

法要に出仕(しゅっし)せり

【お知らせ】 山寺のHP更新致しました。 宜しければ御笑覧下さいませ http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 舎利子みよ空即是色花ざかり 本日は西国観音霊場の29番札所松尾寺(まつのおでら)で行われた開創1300年記念…

寒い日のご馳走

【お知らせ】 山寺のHP更新致しました。 宜しければ御笑覧下さいませ http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/ 朝晩めっきり寒くなった。 昨晩、妻はあまりに寒いし、おまけに秋の虫があんまり大きな声で聞こえるので、窓が開いているのではないかと思ってわ…

素敵なたし算 

今日は一日中雨である。寒さが肌に沁みるように感じる。毎年、10月に地元の福祉施設で大規模なバザーが行われる。 最近はバザーを機会に死蔵しがちなものを思い切って提供することにしている。CDを整理していたら鈴木重子さんのアルバムが出てきた。随分前…

秋の声

昨日、大阪へ行ったときに大型書店で立ち読みをしていたら、江原啓之氏の新刊「傷つくあなたへ」(集英社)※が平積みになっていたのでパラ読み。 最近、<心の傷>ということについてよく考えていたのでちょっとタイムリーな感じがした。 過去に体験した不快…

四天王寺にて

本日は大阪の四天王寺へ。 このお寺は私の大好きな落語である松福亭松鶴の「天王寺参り」の舞台でもあり、よく整備された境内には参詣が絶えない。 兼務しているお寺の入っている霊場会「西国薬師霊場会」の結成20年を記念した講演会と公開シンポジュウムが…

77年ぶりの御開帳

曼珠沙華散るや赤きに耐えかねて 野見山朱鳥 今日は雨時々くもり。不順な天候だった。 この時期、曼珠沙華が群れて咲いているが、ふだん見るくっきりした赤い色が雨あがりには白っぽく見える。 どうやら花に水滴が付いて、日光を反射するのでそのように見え…

心とつきあう

本日は妻と弓道場へ。 悲しいかな初心者のうちは矢が的に届かない… 地面に当った矢がワンバウンドしてようやく的の周囲に届くのも情けない。 熟練の方はめいめい自分専用の矢を持って来られるが、我々初心者は道場に備え付けの矢をお借りして練習する。 矢は…

今から考える葬儀のこと

産経新聞の「ゆうゆうライフ」では三回にわたって「今から考える葬儀のこと」という特集が組まれた。本日掲載分はその最終回である。 今回も中身の濃い内容である。 かって人が亡くなると自宅で地域の人とお寺によって大切に弔われたが、今日では葬儀社によ…

<直葬>というお葬式について 

最近、葬儀場に行くとBGMに「冬ソナ」のテーマを流していることが多い。 時々、「韓流ドラマはお葬式に関係ないだろっ!」とツッコミたくなることがある。 多分、葬儀社にとってはそれらしいムードが大切なのであって、厳密に仏教的である必要は無いのだろう…